【11/4(水)】三匹の塾豚さん(解答・解説編)@オーラのないマッチメーカー岡田有司

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三匹の塾豚さん(解答・解説編)

さて、本日は、「三匹の塾豚さん」の解答・解説編です。

何のことか分からない人は、一昨日のブログを読んでくださいね。

   ↓

 三匹の塾豚さん

 
 
では、答え合わせをしていきましょう。
 
尚、昨日のブログでもお伝えしましたが、これは私の妄想で「答え」を決めているわけではなく、過去、私がいた個別指導塾での実例に基づいた「答え」です。
 
ですので、反論・異論は一切受け付けておりませんので、あしからず(^_^;)。
 
 
【問1】A豚さん、B豚さん、C豚さんの教室の中で、一番、成績向上率が高かったのは、どの教室でしょうか?
 
(答え)どの豚さんの教室も、ほぼ同じ。
 
A豚さんは「教務システムの強化」、B豚さんは「講師の活性化」、C豚さんは「社員の育成」という部分に力を入れて、つまり、三匹三様のやり方で生徒の成績向上を目指したわけですが、結果としては、成績向上率にそれほど差はなかったんですね。
 
一見、教務的なことに力を入れていたA豚さんの教室が一番成績が上がっていそうなのですが、そうはなっていないのが何とも不思議ですよね。
 
でも、「成績は生徒自身が頑張らなければ上がらない」という成績アップの本質を考えれば、この結果は頷けるところです。
 
要は、教務システムを使って生徒を頑張らせるのか、講師の力を使って生徒を頑張らせるのか、社員の力を使って生徒を頑張らせるのか、その違いだけなのです。
 
 
【問2】A豚さん、B豚さん、C豚さんの教室の中で、一番、退会率が高かったのは、どの教室でしょうか?
 
(答え)A豚さんの教室
 
「教務システムの強化」に力を注いでいたA豚さんが、一番、「成績向上」についてコミットメントをし、部下の社員や講師達にもそれを求めていました。
 
でも、その結果、退会率が高かったのはA豚さんの教室。
 
しかも、皮肉なことに、「成績不振」という理由の退会が多かったわけです。(他の豚さんたちの教室と比べて、成績向上率が劣っているわけでもないのに…。)
 
これ、何故だか分かります?
 
1つは、塾なんだから成績向上に拘るのは当たり前ですが、「成績」という結果だけに焦点を当てすぎるとこういう結果になってしまう恐れがあるということですね。
 
もう1つは、社員達も講師達も、このA豚さんに怒られないように動くことに意識を取られて、彼らの良さが出ていない状況もあったと思うんですよね。
 
やはり、上司の顔色を伺い、ピリピリとした教室の空気は、生徒にとって決して居心地の良いものにはならないのです。
 
 
【問3】A豚さん、B豚さん、C豚さんの教室の中で、一番、クレームが少なかったのは、どの教室でしょうか?
 

(答え)A豚さんの教室

クレームでよくあるのは事務的なミスや連絡ミス。

A豚さんはきっちりやりたいタイプで、しかも、部下への徹底力は随一だったので、こういうミスは殆どありませんでした。

事務的なミスや連絡ミスというのは、保護者が塾に対して不信感を抱く大きな要因なので、「さすがA豚さん!」という感じです。

ただ、これらのミスをしないことは仕事をする上では当たり前のことであり、信頼を高めるところまでには至らないのです。

 

【問4】A豚さん、B豚さん、C豚さんの教室の中で、急激に生徒数が伸びたのは、どの教室でしょうか?

(答え)B豚さんの教室

個別指導塾の商品は「講師の先生」ですよね。
 
最前線の彼らが生徒と信頼関係を結び、授業をして、そのことによって、成績が上がったり、居心地の良い場所になったりするわけです。
 
だから、「講師の活性化」に力を注いだB豚さんの教室が一番生徒数が伸びたのです。
 
実際、B豚さんの教室は、講師も生徒も楽しそうで、活気に満ち溢れていましたね。
 
これが、まさしく生徒数が伸びる教室の状態ですね。
 
 
【問5】A豚さん、B豚さん、C豚さんの教室の中で、ジワジワと生徒数が伸びていったのは、どの教室でしょうか?
 

(答え)C豚さんの教室

C豚さんは「社員の育成」に力を入れていました。

もちろん、「講師の活性化」や「教務システム」を軽んじていたわけではありませんが、社員を成長させ、その社員達を通して、そのことを達成しようとしていたわけです。

そうすると、仕事ができるリーダーなら誰でも一度は経験したことがあると思いますが、「部下に任せるより、自分がやった方が早い。自分がやった方が上手くいく」という気持ちが出てくるわけですね。

それを我慢して、部下に任せると、案の定、下手を打つわけです(笑)。だから、退会も出ます。

その一方で、自分だけ頑張るよりもチームで頑張る方が教室全体の活気が生まれ、入会も増えてくる側面もあります。

だから、こういう教室は急激に生徒数は伸びないかもしれませんが、ジワジワと増えていく感じになるんですね。

 

【問6】A豚さん、B豚さん、C豚さんの教室の中で、一番、講習会目標などの達成が早かったのは、どの教室でしょうか?
 

(答え)A豚さんの教室

何事もスピーディーにきっちりやるA豚さん。社員への徹底力も随一ですから、教室全体としても動きが早いわけです。

そう、突撃力のある部隊のような感じですね。

しかも、講習会の提案もきっちりしますから、客単価も高く、講習会目標の達成も余裕なわけです。

そして、こういう教室があると、他の教室も引っ張られ、塾全体の業績が上がっていくのです。

やはり、組織にはこういう引っ張る存在が必要ですね。

 

【問7】A豚さん、B豚さん、C豚さんの教室の中で、教室長が交代した時、一番、生徒数が崩れなかったのは、どの教室でしょうか?

(答え)C豚さんの教室
 
これは、それぞれの塾豚さんのキャラクターや教室運営スタイルを見れば、一目瞭然ですね。
 
A豚さんは、怖い怖い鬼軍曹タイプ。彼の指示のもと、教室社員たちは動いてますから、彼がいなくなると、もろいわけです。
 
B豚さんも、影響力絶大のカリスマタイプ。彼のカリスマ性で人が動き、教室が上手くいっていた分、そのカリスマが抜けた穴は誰がやってもなかなか埋められないのです。
 
一方、C豚さんは、自分のマンパワーではなく、社員達に活躍してもらう教室運営をしていたので、仮にリーダーであるC豚さんが抜けたところで、それほど大きな影響は出ないのです。
 
 
【問8】A豚さん、B豚さん、C豚さんの教室の中で、一番、講師から社員になる率が高かったのは、どの教室でしょうか?
 
(答え)B豚さんの教室
 
これは、ダントツにB豚さんの教室です。それはそうですよね、講師が一番活躍していた教室ですからね。
 
 
【問9】A豚さん、B豚さん、C豚さんの教室の中で、一番、社員が辞めていったのは、どの教室でしょうか?
 

(答え)A豚さんの教室

これは、A豚さんの教室です。A豚さんの指導力で、社員達は鍛えられていましたが、よく怒られていたので、社員達は委縮し、なかなか達成感も得られにくい感じになっていましたね。

そうなると、やはり仕事は続かないものです。(その中でも続けられた人は優秀だと思いますけどね。)

 

【問10】A豚さん、B豚さん、C豚さんの教室の中で、一番、教室長を輩出していたのは、どの教室でしょうか?

(答え)C豚さんの教室

これは、もちろん、C豚さんの教室ですね。「社員の成長」を第一に教室運営をしていましたから、そうなるのは当然ですね。

だから、私にとっては、自教室から教室長が生まれることが、最高の勲章でした。…あれ?しまった!「私」って言ってしまった!( ゚Д゚)

そう、このC豚さんこそが、若き日の私なのです。

だから、C豚さんのことをちょっと良いように書いてしまいました(笑)。

すみません!<(_ _)>

 

そして、B豚さんは私の一番の戦友で、今、個人塾の中では恐らく全国でも三本の指に入るくらいの凄い個別指導塾を運営しています。

生徒数を伸ばすことや、講師を活性化させることにおいては、私が逆立ちしても彼には勝てません(>_<)。

 

あと、A豚さん。彼も一緒に会社を引っ張っていった同志でした。(ちなみに、彼は、私がうだつの上がらなかった新入社員時代に一番助けてくれた講師で、良い奴でした。そして、その後、社員になりメキメキと頭角を現しましたね。)

今は交流はないですが、元気に頑張ってくれていたらいいなと思います。

 

さて、皆様、どれくらい正解されましたか?

たぶん、簡単でしたよね。

もちろん、この結果については、必ずしも、全ての塾さんに通じるものではないのかもしれません。

また、このブログは、それぞれのスタイルの善し悪しを語りたいわけでもありません。

しかし、これらの実例(結果)を見て、何か感じることはないですか?
 
そうなんです。出てくる「結果」には、必ずそうなる「原因」があるということが分かりますよね。
言い換えれば、取っている行動によって、「結果」が決まるということです。
 

だから、自分のキャラクターに合った運営スタイルを取ることも大事かもしれませんが、自分に与えられた状況や役割によって、もしくは自分のステージによって、ちょっと変えていくことも必要かもしれません。

 

例えは、新規開校の教室を任された時は、とにかくいち早く生徒数を伸ばさなければならないわけで、そうなると、C豚さんのような「社員を育成する」スタイルでなく、「講師の活性化」を目指したB豚さんのスタイルの方がいいでしょう。

逆に、社員育成を任されている役割を担っているのなら、やはりC豚さんのスタイルですね。

また、教室運営がいい加減になっていて、それを整備しなければならない教室を任された時は、A豚さんの徹底力を見習った方がいいでしょう。

このように、今、自分の教室には、どのスタイルを取り入れなければならないのか、どんなことに注意しなければならないのか、それを考えてみられてはいかがでしょうか。

 

本日はこんなところで。

 

オーラのないマッチメーカーこと、株式会社WiShipの岡田でした爆笑